【粗悪なシミュレーションに注意!】まさかトルコリラ円で積立投資しようなんて思ってます?絶対儲からないって!

トルコリラ円に月々1万円ずつ積み立て投資で大損
リーマンショックの時、レバレッジ2倍〜3倍で運用していた堅実派たちがことごとく退場に追い込まれたのをご存知でしょうか。

最近、トルコリラ円で積み立て投資を推奨してる人が増えてません?
『トルコリラ円で月々1万円ずつ積み立てて10年後に100万円の不労所得!』とか。

普通は気付くと思いますけど、儲からないですよ。
過去10年間、トルコリラ円でプラス運用できてる人は一人もいないんですから。
大切なお金をゴミ通貨に注ぎ込んではダメ。

トルコリラ円の投資を勧めている彼らの狙いはアフィリエイトです。
適当なデータを使って誘導記事書いて、何も知らない素人にFX口座を開かせるのが目的です。

ちなみにリーマンショック前も同じ謳い文句でオーストリアドルのスワップ運用が推奨されてました。
2017年に流行った仮想通貨も同じような手口でしたね。

シミュレーションの罠

悪質業者が推奨しているトルコリラ円の投資シミュレーションは、だいたい以下のような条件になっていると思います。

  • 今後10年間で最大50〜70%下落
  • ロスカットラインは10円
  • スワップポイントは毎年10円ずつ下がる
  • 毎月1万円ずつ積み立てる
一見すると十分にリスクを考慮していて、かつ無理のない設計に見えますね。でも冷静に考えるととてもおかしな条件になっています。

未来予想なんて結果ありきで値幅も金利も都合良く改竄できるんだし、嘘八百なんですよ。

今後10年でいくら下落するのか?

このシミュレーションの根拠となっているのは過去10年間のトルコリラ円の下落率にあります。
以下、楽天FXのデータです。

  • 2008年1月始値:95.452円
  • 2018年1月始値:29.575円
  • 下落率:約70パーセント

リーマンショックがあった2008年を異常値として除外した場合、
  • 2009年1月始値:58.860円
  • 2018年1月始値:29.575円
  • 下落率:約50パーセント
以上を根拠に、今後10年間で50〜70パーセント下落して、2028年には10円前後になっているだろうってのがこの手のシミュレーションのキモです。

これ、おかしいですよね?
だって何パーセント下落したのかは観測期間を変えれば幾らでも改竄できるんです。
上記でもわかる通り、2008年からなのか2009年からなのかで20パーセントも違いますからね。

パーセンテージではなく値幅で見ると、
  • 最大ドローダウンは月足始値から31円下落
  • 直近2018年8月に月足始値から7円下落
  • 2008年から平均年間6.5円ずつ下落
ずーっと下がってるんですよ。
ということは、あと4年もしないうちにトルコリラは消えて無くなるかもしれませんね。

下落しなかった場合のデメリット

為替は波のように上がったり下がったりするので、数円戻す(上昇する)可能性もあります。
戻したら利益が乗るので一見すると良さそうですが、

  • 建て玉の平均購入レートが上がる
  • 必要証拠金が上がる
というデメリットが発生します。

そうなると1万円で毎月積み立てていくのが難しくなります。拠出金額を増やさなければいけませんね。

一番怖いのは平均購入レートが上がったところでズドン、と急落でやられてしまうことですね。このパターンでみんなやられるんです。

ロスカットラインの設定

超ざっくりですが、計算してみます。
毎月1万円入金して1,000通貨ずつ購入すると、1年後には以下の状態ですね。

  • 総資産額12万円
  • 平均1リラ22円(仮)で1.2万通貨をロング
  • レバレッジは2.2倍
これでどれだけの値幅に耐えられるかというと、平均購入レートから9.5円の下落までです。

逆指値の設定がいくらとか関係ないです。証拠金維持率が100パーセントを下回った時点で強制的に損切られます。

過去の推移で見てみます。

2017年1月〜2018年8月の毎月1日の始値で1,000通貨ずつ購入したとすると、平均購入レートは29.113円になります。
2018年8月の大底が15.545円なので、2017年1月から積み立てを始めた人はこのドローダウンで退場してます。

もっと短い期間で、例えば2018年1月〜2018年8月の毎月1日の始値で購入したら、平均購入レートは26.340円です。同じく2018年8月に退場。

実際にこの8月の下落で、トルコリラ円の長期ホルダーの3分の1がロスカットされたそうです。コツコツドカンというやつですね。

最大の問題はドローダウンが『いつ来る』のか

積み立て開始直後にロスカットされても損失は知れたものですが、数年積み立てて調子に乗り始めた頃にリーマンショック級の下落が来たら、儲けたお金が一気にパァになるどころか、追証で何千万円も請求されてしまうこともあり得ます

後になればなるほど損失額はデカくなるんですよ。

スワップポイントはいつまで続くか

政策金利はリスクプレミアムです。
金利が24%まで急上昇したのは2018年になってから。それまでは6〜8%を推移してました。

一気に金利を上げたのは緊急措置であって、恒久的なものではないです。国として儲かってないのにいつまでも高金利でいられるわけないですよね。リラ円ロングでスワップウハウハなのはこの短期間だけということ。

高い金利でも売られてしまうリラちゃんです。
金利をちょっとでも下げた途端に市場は危険を察知して金を引き上げるでしょう。

日本は超低金利政策の出口戦略として、いつか金利を上げなくてはならない時が来ます。
金利差逆転でマイナススワップなんて事も可能性としてはあり得ますからね。

それでも毎月1万円ずつリラ円積み立ててみる?

もし今1円になっても値幅は20円程度だから損失は限定されてる?
宝くじ的に買ってみるのもアリ?

もはや投資じゃなくてギャンブルですな。

スワップ狙いの長期投資は破綻すると証明済み

スワップ狙いの長期運用が上手くいかない事はリーマンショックで証明されたはずなのに、なぜスワップ狙いの人がまた増えているのか。

それはスワップ投資を勧める人も、実際に運用している人たちも、全員リーマンショック後に始めた人たちだから。生存バイアスなんです。

過去にスワップ投資してた人はみんなリーマンショックで退場したんです。退場って再起不能って意味ですよ。死人に口無し

トルコはもうずっとインフレです。物価が上がっているのではなく、通貨の価値が下がっているから。
今は円安と原油価格の下落に支えられて一時的に持ち堪えているだけです。

国家が不安定なのに金利が高いのは、金利を上げないと誰も投資してくれないからですね。
このまま10年も持つとは思えません。

FXはゼロサムゲーム

2020年はネズミ年。株の世界で子年は『繁栄』を意味するそうです。ちょうどオリンピックイヤーなので、株も為替もその辺りが、ピークかもしれませんね。

そして2021年は丑年。牛は『つまづき』を意味し、衰退を表します。格言通りだと、オリンピック後にリーマンショックの再来となるかもしれません。

FXはゼロサムゲームです。
誰かが儲けるには誰かが損をしなければなりません。

僕たちがトルコリラに10年間積立投資すると、最後に儲けているのは果たして誰なのか、想像してみてください。

以上


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